夏の長編
また長い作品を楽しんでいました。
まだ肌寒い頃読み始めたのですが、すっかり夏、真盛りですね。
チャールズ・ディケンズ「荒涼館」。
前から読みたかったのですが、実は新刊ではもう買えません。
ちくま文庫から昔出ていたようです。
長くて、薄暗くて先の見えない長い真直ぐな廊下があります。
そこにはたくさんの扉があって、その扉の向こうには知らない世界が待っています。
たくさんの扉の一つを開けてしまったかのように楽しめました。
ディケンズさんがこの物語を書いたのは、黒船が日本にやってきた頃。
めまいがしそうです。
今、日本で、この本を本屋さんで買えないということは悲しいことだと思いませんか。
チャールズ・ディケンズ「荒涼館」
みつばちの羽音のように
ドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」を見ました。
とても複雑な気持ちです。
原子力発電所の建設を巡って、建設予定地の反対派の人たちを中心に映像化されています。
上関原発の件に関してはなんの知識もないので、何かを訴える立場にはありません。
しかし感じたのは、前提の違いと価値観の違い。
国や中国電力は、経済の成長が日本国民の幸せにつながると信じています。(本当は利権の問題もあるとは思いますが、少なくとも表向きはそうです。)
一方、原発建設予定地の近くの島の住人は、今の暮らしに満足しています。若干不満があっても、原発で働くことよりも、自然と共存することが自分たちの生活であり、豊かさの象徴であり、幸せなんだと知っています。
ぼくも経済は成長しなくても、人々は豊かで幸せな生活を送れると思っているうちの一人です。
ひつじ日和もをはじめた理由のひとつでもあります。
何かで幸福や豊かさを感じている人は、その人がそう思っているからです。決して他人が決められるものではありません。
ミツバチの羽音でも、地球の回転に影響を与えているそうです。
ぼくらはミツバチの羽音にもなれないのでしょうか。
涙が止まりませんでした。
みなさんに観てもらいたい映画です。
鎌仲ひとみ 「ミツバチの羽音と地球の回転」
yomyom2010
今年読んだ本の中から、いくつかピックアップしました。
井上靖「天平の甍」
700年頃、シンプルな船で日本海を渡りました。
仏教も政治も文化も必死で学んでいた時代です。
堀江敏之「河岸忘日抄」
忘日、という言葉の通り、何かから逃れるには、こんな方法もありえます。
「十夜」
十個の物語を十人の作家さんが紹介します。
野口冨士男さんの『相生橋煙雨』が良かったです。
堀辰雄「風立ちぬ・美しい村」
今年は堀さんゆかりの場所に、偶然いくつか行くことになりました。
スコット・フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」
読むたびに感心します。
ハインリヒ・ハラー「セブン・イヤーズ・イン・チベット」
チベットはいつか行って見たいところのひとつです。
チベットが国として復活することを望みます。
南木佳士「草すべり」
浅間山のことはいつも見ていたのにまったく知りませんでした。
山に登りたくなります。
相野谷由起「うさぎのさとうくん」
絵本です。かなり好きです。
くるみを覗いてみたくなります。
レイモンド・カーヴァー「愛について語るときに我々の語ること」
こんなことが小説になってしまうの?というものばかり。
平坦のようで、実は起伏があるのかもしれません。
こおろぎさんがツイッターをはじめたそうです。
旧、ひつじ日和の店舗で営業されている
「本棚 コオロギ」。
営業時間などの案内をつぶやきはじめたようです。
http://twitter.com/books_korogi
を覗いてみてください。
”こおろぎの夜、ゆめうつつの部屋
こおろぎの夜、のどぼとけ揺れて
ころぎの夜、一人きりゆめうつつの部屋”
スピッツ「鈴虫を飼う」

